メディアやブログのコンテンツを拡充するための有効な施策の1つである外注(アウトソーシング)の方法を比較すると共に、サイトの種類別と予算別のおすすめをまとめました。外注方法の選定にお役立てください。

記事を発注する方法まとめ

1.コンテンツ制作会社の利用

特徴

比較的コストはかかるものの品質が高く、品質のばらつきも少ない

テーマに沿った記事をプロが制作してくれるコンテンツ制作会社を利用する方法です。
この記事で紹介している方法の中では一番コストがかかりますが、リスクが少ないやり方となります。

メリット
  1. プロのライターが執筆してくれる
  2. 専門知識が必要な記事も対応してくれる
  3. 一定の品質を保ちやすい
  4. 発注後の手間はあまりかからない
デメリット
  1. 会社によって品質が異なる(発注前にはわからない)

文字単価や強み、品質は会社によって様々ですので、初めは比較するだけでなく実際に複数の会社に少量ずつ発注し、そのうえで本格的に利用する会社を絞り込むのがおすすめです。

予算と量の目安

予算 小額~(※会社によって異なる)
発注量 10記事程度~(※会社によって異なる)

2.クラウドソーシングの利用

特徴

比較的低価格で柔軟な代わりにライターを管理する手間がかかる。

クラウドソーシングとは

仕事を発注したい企業や個人と仕事を受注したいフリーランサーと企業をマッチングするサービスで、クライアントが発注する案件を登録し、受注したい受注者に応募してもらう形式が一般的。

メリット
  1. 比較的低コストで発注できる
  2. 複数名のライターを探せる
  3. ライターごとに柔軟に発注可能
  4. 実績や専門性のあるライターを探すことも可能
デメリット
  1. 一定の品質を保ちにくい
  2. 発注前に品質がわからない
  3. ライターを管理する手間がかかる
  4. 手数料が高い

クラウドソーシングは比較的低コストで発注が可能であることに加えてライターごとの発注量の調節が容易なため、柔軟な依頼を出せるのがメリットですが、代わりに管理の手間がかかるので、大量発注の場合は複数の編集者による編集体制を整えておかないとパンクします。

高品質なライターを探し出すことができればメディアやブログ運営の強力な助っ人となってくれる可能性を秘めていますが、同時にライターごとの品質がまばらであることがデメリットであるため、使用する場合は複数のライターへ発注したうえで継続発注する人を探し出す必要があります。

予算と量の目安

予算 小額~(※品質を保ちたい場合はある程度の資金が必要)
発注量 1記事~
個別依頼がおすすめ

通常の募集の他に受注者を個別に検索して相談したうえで個別に依頼を出せる制度もあるため、こちらを活用して実績や専門性のあるライターを探し出し、少量の記事を発注するという使い方もできます。
この場合はサンプルなどを見て品質を事前に判断できるので、単価は上がりますが品質は保てます。

主なサービス

ランサーズ
クラウドソーシングの最大手。大量のライターが在籍しており、ライティング案件は最も受発注が盛んなジャンルの1つであるため、容易にライターを探すことができる。

クラウドワークス
ランサーズと並んで有名なクラウドソーシングサービス。ランサーズと手数料などはほぼ同じであるため、並行して使用するのがおすすめ。

3.仲介型サービスの利用

特徴

低コストで手間も最小限だが品質はそれなり。

運営会社がライターとクライアントを仲介し、募集から品質管理までを代行してくれるサービスを利用する方法です。
こちらは広義にはクラウドソーシングサービスの1つですが、一般的にクラウドソーシングと呼ばれるプラットフォーム型のサービスとは異なるため区別しています。

メリット
  1. 低コストで発注できる
  2. 管理の手間が最小限で済む
  3. 納品が比較的速い
デメリット
  1. 一定の品質を保ちにくい
  2. 発注前に品質がわからない
  3. 一般的に品質が低い

こちらは手間がかからずしかも低コストと、コンテンツ制作会社とクラウドソーシングのいいとこどりをしたようなサービスですが、一般的に在籍しているライターは副業レベルのライターであるため、あまり高品質な記事が望めないというデメリットがあります。

予算と量の目安

予算 5000円程度~
発注量 10記事程度~
1記事~発注可能でも…

上の発注量の目安には「10記事程度~」と記載しましたが、実際には1記事から発注可能なサービスもあります。
ただ、品質がまばらなことがリスクのサービスですので、使えない記事が上がってくることも念頭に置いてまとまった量を発注するのがおすすめです。

主なサービス

shinobiライティング
単価が1文字1円と分かりやすいサービス。品質は一般的にまばら。

サグーワークス
オプションや豊富な条件設定を利用した柔軟な発注が可能で、企画などを行ってくれる編集者を雇うことすら出来てしまうサービス。ライターのレベル(3段階)を選べるので品質も一般的にそれなりに良い。

発注方法の総合評価

特徴 優先順位
コンテンツ制作会社 比較的コストはかかるが品質のリスクが少ない。 1
クラウドソーシング 手間とライター探しのコストがかかるが、良質なライターを見つけられれば安定する。 2
仲介型サービス 手間がかからず低コストで済むが、一般的に品質が低いので最終手段に。 3

目的別の比較

媒体の種類別に各方法の適性度をランキングにまとめています。

1.オウンドメディア

前提

顧客の獲得を目的としたオウンドメディアを使ったコンテンツマーケティングに使用する記事を発注することを想定したランキングです。

予算 20万円~
1度の発注数 20記事以上
編集体制 担当者1名以上~(法人)
重視するポイント 記事の品質/手間の削減/記事の多様性
1位 コンテンツ制作会社

品質の高い記事を最小限の手間で大量発注できるので、メディアの立ち上げ段階から役立ちます。

2位 クラウドソーシング

専門家や実績のあるライターへ個別に発注できますが、一度に大量発注するのが難しいため、さらににコンテンツを拡充させたいときにお勧めです。

3位 仲介型サービス

品質が低めなため、コンテンツマーケティングには向きません。

2.バーティカルメディア(特化ブログ)

前提

広告でマネタイズしている特手の分野や切り口に特化したメディア(=バーティカルメディア)で使用する記事を発注することを想定したランキングです。

予算 5万円~
1度の発注数 10記事以下~
編集体制 個人or担当者2名以上~
重視するポイント 記事の品質/手間の削減/記事の多様性
1位 コンテンツ制作会社

専門情報にも対応しており、最小限の手間で品質にばらつきのない記事を納品してくれるため、主力の記事供給源として利用できます。

2位 クラウドソーシング

個別依頼で専門家や実績のあるライターに発注することで品質の高い記事を入手できます。
ライター管理の手間がかかることに加えて多量の発注が難しいため、サブの記事供給源として活用しましょう。

3位 仲介型サービス

その分野に精通したライターが見つかる見込みは薄いのでお勧めできません。

3.雑記ブログ

前提

個人で運営している不特定多数のジャンルの記事を掲載するブログで使用する記事を発注することを想定したランキングです。

予算 1万円~
1度の発注数 10記事以下
編集体制 個人
重視するポイント 手間の削減/コスト
1位 クラウドソーシング

コストを最小限に抑えられてある程度の品質の記事を調達できます。
管理の手間がかかりますが、個人の雑記ブログであれば1度の発注量が多くないので苦にならない程度です。

2位 仲介型サービス

コンテンツの質はあまり期待できないものの、手間が少ないので副業や片手間に運営しているブログに向いています。

3位 コンテンツ制作会社

品質にばらつきがない高品質な記事が納品されるので、書き手の人柄が出る雑記ブログとは相容れない方法です。

4.ニュースメディア

前提

広告でマネタイズしているニュースを配信するサイトやトレンドブログで使用する記事を発注することを想定したランキングです。

予算 10万円~
1度の発注数 10記事以上
編集体制 担当者2名以上~
重視するポイント スピード/コスト/手間の削減
1位 クラウドソーシング

情報の提供スピードが命のニュースサイトやトレンドブログの場合、柔軟な発注が可能なクラウドソーシングで複数のライターと管理を行う編集者を雇って更新体制を整えておくのが最適です。

2位 コンテンツ制作会社

コラムなどのニュース以外のコンテンツも掲載する場合、コンテンツ制作会社を使うと手間が最小限で済みます。

3位 仲介型サービス

コスト自体は低いものの、クラウドソーシングほど柔軟では無く納品に時間がかかることを考えると利用価値は低い方法です。

5.キュレーションメディア

前提

広告でマネタイズしているキュレーションメディアで使用する記事を発注することを想定したランキングです。

予算 10万円~
1度の発注数 20記事以上
編集体制 担当者2名以上~(法人)
重視するポイント 記事の量/コスト
1位 クラウドソーシング

システムを構築する初期投資と運転資金が必要になりますが、自社の担当者とは別にライターから編集者(ライターの管理や記事の公開作業等を行う)までを全てクラウドソーシングのプラットフォームで見つけて行進体制を整えることができれば運営の手間が最小限で済みます。

2位 仲介型サービス

一般的にクラウドソーシングほどの品質が見込めませんが、簡単な記事を大量に募集する場合に適しています。

3位 コンテンツ制作会社

記事単価が高く、プロが執筆するため、キュレーションという用途に向きません。

6.アフィリエイトサイト

前提

情報発信が主体のメディアではなく、アフィリエイトによって収益を上げることに特化したアフィリエイトサイトで使用する記事を発注することを想定したランキングです。

マネタイズの手段の1つとしてアフィリエイト広告を利用するメディアやブログは含んでいない点に注意してください。

予算 1万円以上~
1度の発注数 10記事以上
編集体制 個人
重視するポイント 記事の品質/手間の削減
1位 コンテンツ制作会社

特に書くのが面倒なコンテンツである、アクセスアップと訪問者との信頼関係構築を目的とする質の高いコラムやハウツー記事を発注するのに向いています。

2位 仲介型サービス

複数の感想や体験談を少ないコストと手間で集めることができます。

3位 クラウドソーシング

こちらも主に感想や体験談用です。
仲介型サービスよりも数を集めることができますが、多くのコストと手間がかかります。

まとめ:予算に余裕をもって発注しよう

ここまで紹介してきたどの方法にも類似サービスを提供している企業が複数あるため、ある程度方法を絞り込んだうえで複数のサービスへ発注し、ご自身の媒体に合ったサービスを見つける必要があります。

間違っても「10万円で50記事調達する(1記事2000円)」といったギリギリで都合の良い予算で外注にチャレンジしないようご注意ください。